川上カーマスートラ

海外での生活

こいた後にドミトリーだと気付く

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今日はベトナム最後の日だったけれど、特に何をすることもなくブラブラと町を歩いた。
市内の方はというと、聳えるビルの間から次々と建設中のものが生えているといった状況。デパートなども、到底僕には手の届かない金額を提示している。店内には行儀の良いスタッフ。
片や客を待ち、そのデパートの前で寝ているたくさんのモーターサイドライバー。

数年後、この街はどういった変貌を遂げるのだろう。

市街はすぐ飽きたので、午後からはガイドブックに載ってないところを探索。
5㎞も離れていないところだ。

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衣類、おもちゃ、薬、野菜、果物、魚、肉…100m圏内で恐らく生活に必要なものは何でも揃っている、密集市場。
全く外国人が見られないことから、どこの国のガイドブックも似たようなところをピックアップしているのだと思う。
…おぉ、これぞ地元としてのベトナムなのかもしれない…とちょっと感動。
早朝、ひっそりとテントを広げ、各々が持ち寄った商品を、所狭しと並べる。今では仲間となった隣の物売りと、何度も交わしているであろう冗談に花を咲かせ、一日が始まる。売れ残ったものは、そのコミュニティで物々交換。収入は少なかったが、帰れば食卓が豊かになる。
うぅ、泣けるではないか。擦れてしまった日本男児は、最後のベトナムで情緒を取り戻せるかもしれないと、必死でシャッターを切る。




ぉおおおぅえええ…!




その時だった。
予期せず嗚咽を現地人の前で披露してしまったのは。
「なんだここ、ぅうえ、くっせぇぇええ」(涙目)。
異国ノ文化ヲ侮辱シテイル!とか、今日に限ってはそんなの知らん。マジ切れするほど臭い。
匂いの発生源をたどると、気温32度程、炎天下にさらされる魚の汁々であった。₍【汁】という量ではない。₎

これは一体誰がどう処理するのだろうか。干からびるのを待つのか。


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ほんとにグロ注意なので、白黒写真でお届け。

タイでもそうだったが、僕はこの東南アジア人の感覚にだけは異を唱えたい。
ナチュラルと不潔は違うんだぜ、と。
たしかに野菜や肉など、ケミカル物質が使われている量が比較的少なくて、より自然に近い状態で売られているものが多いと思う。
しかし、それはそれだ。
魚の汁々や、客が飲み残したビールを路上にぶちまけるのは話が違う。それはナチュラルではない。ただの不潔だ。

よく旅行者なんかを見ていると、こういった現地人の様子に、「ワーオ!これが東南アジアだよ!」なんて感嘆しているけれど、他人事を言うな、健康の心配をしろ、と怒りたくなる。
僕の中にも「物価が安いから」という短絡的な深層心理で、東南アジアの人々に対して、蔑みを抱いていることが少なからずあるような気がする。
そのくせ我々旅行者は、マーケットで高値を付けてくる商売人を一蹴する。
この中に大富豪が遊びで「RayBan」のサングラスを混ぜても、絶対に気が付かないのだろう。商品とはそういうものだ。誰がどこで売るか、それだけだ。

だからこそ言いたい。
ちゃんと清潔にしましょうよ、と。
やりすぎはいけない。コンビニ企業等はすべからく清潔を目指し、生命を犠牲にしているため、そこまでは意識しなくてもいい。
ただ臭いだけは注意してくれ。臭いはほとんどすべての気力を腐らせてしまう。
接客は彼女へのプロポーズだと思ってくれればいい。
あなたには相当な魅力があるのは僕も知っている。
あとは、どこでするかなのだ。キムチを壁に塗りたくった部屋で婚約指輪を渡す人がいるか?いないと思う。小綺麗なレストランや、清掃の行き届いた船上テラスでプロポーズされてこそ、相手の喜ぶ顔を見ることができる。

地元コミューンを破壊創造するつもりはないのだけど、もしかしたら隣の人も「こいつくっせえぇ」と思ってるかもしれないし…とにかく悪臭だけは禁物だ。

ちょっと熱くなってしまったけれど、僕はまたベトナムにいつか訪れたいと思っている。この国を通して、日本にはこうあって欲しいというところをいくつか確認できた。
帰ったら空気たくさん吸う。