川上カーマスートラ

海外での生活

一応安否確認ブログ

クアラルンプールは、「泥の川が交わる場所」という意味を持つらしいが、まさに今不透明な憎悪がこのマレーシアで交差しているという。
ISISだ。

先月、クアラルンプール近郊で爆発事件が起こったのだが、マレーシア警察によるとISISの犯行らしく、さらにバングラデシュでのテロにも、マレーシア人が関与しているといわれている。
爆弾事件はISIS関与と断定、マレーシアでは初のテロ(http://www.cnn.co.jp/world/35085333.html)

僕がなぜこんなにもマレーシアの情勢を注視しているかというと、今まさに東南アジアにいるからだ。
いやもといクアラルンプールにいるからだ。

これはまじで冗談では済まないのだけど、やっちまったと思っている。

6月10日にバリにビザ無しで入ったため、7月10日までにインドネシア国内を絶対に出なくてはならなかった。
ウブドでの農業を終えクタに帰ってきた僕は、恋にうつつを抜かしており、航空チケットを取るのを後回しにしていた。
そこで、前々日の7月8日になってようやくスカイスキャナーを見てみたら、最低でも2万3千円はする。
「2万3千…!?」
9日と11日は半額以下なのに、なぜ10日だけバカ高いのか。

1日バリを無駄にするのは哀しいけれど、9日に出るしかない、と、21時20分のチケットを入手。
これがマレーシア行だった。

チケット取るまでに、きちんと現地の治安を確認したのだけれど、上のニュース記事だけは気がかりだった。
それでも「今後マレーシアでまたテロが発生する恐れもあるから、繁華街だけは絶対に避けよう」という意識があれば、なんとかなるんじゃないか、くらいの気持ちでいた。
いたのだけれど。

僕がチケットを購入した僅か1時間後、「ISISがマレーシアを全力で攻撃する」というニュースが現れた。
爆破テロ、ついにマレーシアで実行される(http://www.mys-news.asia/news_6AXke1G5E.html)

そんなの聞いてない。僕は戦場を思い出す。
小学校5年生で見せられた「プライベートライアン」の、爆発で腕が吹き飛ぶシーンを。
情報源の確認が取れなかったのだけれど、とにかくこれはやめといた方がいいんじゃないか。
だんだん怖くなってきて、僕は0時20分に到着するクアラルンプール国際空港に一泊し、早朝の便でベトナムに乗り継ぐことを決意する。
チケットも早いとこ取って、いち早く身の危険を守る。

そして迎えた本日早朝。
時限爆弾も凍ってしまうのではないかというほどに冷やされた空港内を、よたよたと歩きながら、硬直してしまった背中をほぐしていく。(クアラルンプール空港の寒さは有名で、トイレの床にまで強風装置がついており、気を付けないとおしっこが風に流れていく。)
やっとのことで辿りついたチェックインでのことだ。

「あなたこの前ベトナム行きましたね。」
「え、はい」
ベトナムは30日以内の再入国が出来ないんですよ」

やっちまった。
完全に忘れていた。
だけれども僕はどうなる?
そんなのわずか1日のズレじゃないか…。
まさか決戦の地へ放り出されたりしないよな…。

そのまさかということで、飛行機には搭乗できず、さらに当日ということもあり変更もきかず。
僕は自分の不注意でおよそ6千円を紙くずにしてしまい、今深く反省している。

仕方がないのでクアラルンプール周辺で宿を見つけたが、明日からもめっきり引きこもる予定だ。

そしてさっきtwitterで確認したところ、僕の英語リーディングが間違っていなければ、3人のインドネシア人がボルネオ島武装勢力に誘拐されたらしい。
ボルネオ島は、マレーシアはマレーシアでも、隣の島にはなるので直接的な危険ではないけれど、用心するにこしたことはない。
なかなかのストレスになるかもしれない。早くチケット買おう。